人生60年、一度もベッドの生活をしたことがありません。
若いときにはベッドの生活に憧れていました。
旅先で泊まるホテルのベッドの寝心地も快適ですが、1週間もすると自分の家の綿ふとんが恋しくなるのです。
35年前の婚礼のときには、嫁入り道具(今は死語ですかね?)のひとつに婚礼布団というのがあり、寝具メーカーの老舗西川でブライダル寝具を揃えました。夫婦(めおと)布団の掛敷2組と、客布団の掛敷2組他もろもろ全部合わせて結構なお値段だったと記憶しています。
今は羽毛布団が主流ですが、当時は綿布団が主流でした。
綿ふとんの特徴
中綿に吸湿性や保温性のある綿わたを使用しています。
湿気を吸い取るため、定期的に天日干しが必要ですが、湿気を放出もしやすいのでかさの回復力が優れています。
寝返りをうちやすい適度な硬さではありますが、年数とともに圧縮されていきます。
羽毛布団に比べて重量はありますが、冬は体を包み込んでくれる適度な重さと暖かさが快眠に導いてくれるのです。
天気の良い日にベランダで布団を干すことが、私にとっては気分転換となり日々の生活の日課のひとつとなっています。
綿ふとんの打ち直しとは
ぺたんこになってしまった布団の側生地を剥がして中綿をほぐし、同時に中のゴミ・ほこり・ダニを除去、殺菌処理をすることを打ち直しといいます。
さらに足し綿をして、新しい布団生地で仕立て上げます。
そして見事に新品と変わらないフカフカの綿ふとんに生まれ変わるのです。
5年に1度の打ち直しが理想と言われていますが、我が家は10年に1度のペースで打ち直しをしていました。
布団の打ち直しはゴミの削減にもなり、地球環境の保護にも繋がりますのでおすすめします。
打ち直しの注文方法
子供の頃、大正15年生まれの母は布団は買わずにいつも打ち直しに出していました。
当時の中綿は灰色がかっていたのですが、自分の婚礼布団は真っ白な中綿で、色の違いが衝撃だったのを覚えています。
「布団の打ち直しは良い中綿を抜かれることがあるから慎重に業者選びをするように」とアドバイスされたものです。
戦中、戦後の混乱の中ではそんなこともあったのでしょうか。
注文時にまず選ぶのは側生地の種類です。
側生地の綿には、平織(ブロード)・朱子織(サテン)・綾織(ツイル)などの種類があり、また柄やデザインによって価格が変わってきます。この生地選びが思いの外楽しいのです。
近所のふとん屋さん
昔は必ず商店街に1軒はあったふとん屋さんですが、最近は見なくなってしまいました。
3年前に、たまたま電話帳でみつけた一番近くのふとん屋さんにお願いしたのですが、最近は打ち直しするお客さんも減ってしまったのか、とても丁寧な対応をしてくれました。
客布団2組を注文したあと、自分用の布団の打ち直し料金を少しおまけしてくれました。
町のふとん屋さんならではのサービスです。
インターネットで注文
全国対応の打ち直しのサイトがいくつもあります。
見積もりのできるサイトもあり、布団の種類やサイズ、そして生地の見本も写真で見ることができるので、意外と簡単に注文できそうです。
打ち直しの工程を動画で視聴できるサイトもあります。
コープのくらしのサービスで注文
私はコープを利用しているので、コープの「綿ふとん打ち直し」のカタログから注文したことがあります。
生地はおまかせタイプと、選ぶタイプがあり、おまかせタイプだと少し割安になっていたのでお得感がありました。
打ち直しの料金
綿ふとんシングル
側生地代込で10,000円(税込み)~が相場のようです。
私が2年前に利用した近所のふとん屋さんの料金は
掛ふとん 9,000円
敷ふとん 9,000円
—————————
18,000円x 2組 = 36,000円(税込み)
他に自分用の掛敷布団も同じく 18,000円(税込み)
————————–
54,000円(税込み)
こうして2年前に新生活のスタートに布団を打ち直して心機一転、家族や来客の受け入れ体制も万全!
と身構えていましたが、年に2回、息子たちが泊まりに来るか来ないか・・・・。
友人をお招きする機会すらなく、せっかくの客布団が押入れの中で使用しないまましぼんでいくありさまです。
時々天気のいい日に天日干しで膨らみを回復させています。
いずれは、今使っている自分用の布団がダメになったら自分がこの客布団を最後まで使い潰すことになるのでしょう。なんとも皮肉なおひとりさまの結末を想像してしまいます。
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