波瀾万丈50代

50代の転落人生|12話 息子の結婚

波瀾万丈50代

実家の家族や息子たちに迷惑をかけずに生活を維持していくためだけに、仕方なくこの生活を続けて何年か月日が立ちました。

そのころはもう義父は、私たちを近くのマンションに呼び寄せようとしたこと、義母がまだ元気な時のお正月に2世帯住宅の話を持ちかけてきたことも忘れていました。
相変わらず私を責めることもありましたが、夫の代わりに経済面で助けてくれた時もあり、息子たちとも良好な関係を保っていたので、感謝しつつ、波風たたぬよう暮らしていました。

お陰で息子たちの就職も無事に決まり、就職後数年立った頃、次男の結婚が決まります。この辛かった長い日々において、久しぶりの喜ばしい出来事に、折れそうだった心もなんとか持ち堪えることができました。

最近の結婚事情というのは、30年前と大きく変わってきています。
だいぶ簡略化され、仲人なし、結納なしなど、結婚式や披露宴の形も多様化してきています。
自分たちが若い時は、婚約・結婚式を終えてから新婚旅行・新生活という順番が一般的でした。
最近では婚約すると入籍して新生活、その何ヶ月後かに結婚式という順番が多いようです。共働きが多いので、お互いが休暇をとれる時期に結婚式・披露宴、新婚旅行と計画を立てているようです。

時代の変化とともに変わってきている、今どきの合理的な結婚事情に感心しつつ2人を見守ります。

まず、相手の女性がこの家に挨拶に来てくれました。
そして次男が相手の親御さんに挨拶に行った際には、こちらの事情を理解した上で、あれこれ詮索することなく結婚を快く承諾して下さいました。そして結納に代わる両家顔合わせも、母親同士と結婚する2人と4人での顔合わせ食事会となりました。こちらの状況を配慮した形にしていただき本当にありがたいことでした。

その後の、結婚式・披露宴の計画はすべて2人で決め、費用もすべて2人の予算内で収め、私は時々経過報告を聞く程度でした。
さてここで、離婚した親を結婚式に呼ぶか呼ばないかという話になります。先方のご親族はこちらの詳しい事情も知らないということもあり、今まで育ててくれた感謝の意味も含めて父親も列席してもらうことになりました。

結婚式での事前準備で何が一番大変かというと、出席者の招待・人数調整ではないでしょうか。
次男もぎりぎりまで式場の担当者と打合せ調整に忙しそうでした。
そんな時、父親が突如やっぱり列席しないと言い出したのです。離婚した夫と式場で顔を合わせることに複雑な心境ではありましたが、列席するからには、おめでたい席では気持ちよく接しようと覚悟していました。夫の気持ちとしては、自分がしてきたことで、私を含め回りに不快な思いをさせてしまうから、列席しないほうがよいと思ったようです。それでも、次男は決めた以上は形式的にも列席してくれるよう説得していました。

さていよいよ式が2週間後に迫った時、夫が大怪我をしてしまいます。足を骨折し入院してしまったのです。行く行かないで散々振り回されましたが、結局夫は息子の結婚式には列席することができませんでした。

式までの人数調整や準備は大変そうでしたが、結婚式・披露宴は、盛大に、感動的に滞りなく無事終わりました。親として最高の瞬間に立ち会えて、今までの苦労がすべて吹き飛んだ幸せな一日でした。こうしてひとつひとつ状況が上向きになっていくことで、自分がこの生活環境を選択したことは、間違っていなかったのだと言い聞かせました。

さて、結婚式から数ヶ月たったころ、足の怪我がだいぶ回復してきたということで相手の親御さんに会わせてくれと、夫が次男にメール(LINE)してきたようです。そういう大事なことをLINEで不意に言ってくることが次男には心外だったのかも知れません。「今更もういい」と返信したようです。相手のご両親とも良好な関係ですでにスタートした平穏な生活に、形式的な挨拶は不要と思ったのかも知れません。詳しいLINEの内容は知りませんが、このやりとりで夫が憤慨することになります。


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