波瀾万丈50代

50代の転落人生|3話 父子の大げんか

波瀾万丈50代

この地に越してきてから、何かと心配事がふりかかってきます。

・次男の大怪我
・実家の母の入院・手術
・義母の病気

そして一番心を痛めたのが義父と夫の大喧嘩でした。

2人共お酒の量が多くなると終わりのない言い争いが始まります。
封建的な教育方針の義父と、それに従いながらも反抗してきた夫の、何十年も前からの確執が未だに続いているかのように思えました。

悲しいかなこちらに引越してからそのような場面が増えていたのです。

親孝行のつもりで「親父の家で飲んでくる」とお酒を手にして出ていった夫の言葉に嫌な予感がします。
3時間後、家の電話が鳴ります。

「親父とやりあって血だらけになった」と呂律の回らない夫の声。すぐに現場に駆けつけると義父がゴルフクラブを振りかざし夫に殴りかかろうとしているところでした。たまたま家に居た長男も駆けつけてくれました。
長男さえも呆気にとられて身動き出来ない状況の中で、渾身の力を振り絞りゴルフクラブを取り上げます。私の顔が鬼の形相だったのでしょう。義父は大人しくなりました。

喧嘩の理由は些細なことでしたが、取っ組み合いになり80代の男に50代の男が馬乗り状態です。血だらけというほどではありませんでしたが、出血している傷口もあったようです。

昨今、家族間のトラブルで痛ましい事件が報道されますが、我が家も紙一重であるこの現実に身震いしました。止めに入った義母がよろけて家具の角に頭をぶつけ傷口を縫うほどの怪我を負います。

翌日、私が夜中の12:00すぎに車で救急外来へ連れていったことも、義母が頭を怪我して縫ったことも記憶にないと2人に言われた時は、心底情けなくなりました。たかが親子喧嘩に私が首を突っ込まなくても良かったのかも知れません。

嫁という立場で動いてしまった無駄な責任感でした。

その後も夫の父親に対する怒りは収まりません。また今にも取っ組み合いになりそうな怒りの感情が見てとれて、しばらく不安な日々が続きます。

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